大槌町民が一年で一番熱くなる日は『祭り』です。
大槌のお祭りは、町内の小鎚神社の例大祭で、毎年9月半ばに行われ、今年(2016年)は、先週末の9月17~18日に行われました。
このお祭り、なんと1200年の歴史を誇るお祭りで、三陸7明神のひとつにも数えられるそうです。お祭りでは、町内の小鎚神社で祀る神様を乗せる神輿が2台でて、赤い方は明神様、紫の方は観音様を乗せます。
官服を着た担ぎ手の男性がこの神輿を担ぎ、2日間にわたって町内を練り歩いて豊作や大漁をお願いするんです。
お祭りの最終日には、神社に戻る最後の道で、大槌を流れる小鎚川を神輿を担いだまま騒ぎながら渡ります。
昔は川ではなく海に入っていたそうで、大漁の祈願やお清めの意味があるそう。
川の中で神輿を担ぎながら跳ね回るのは、神様が喜んではねているのを表しているそうです。
そして、神社に戻り、神様の魂を戻す「魂抜き」をします。
この最後に魂抜きをする前の、神社に神輿を戻す際も、お神輿がなかなか蔵に収まらず、くるくると神社の中をお神輿を振り回して、走り回ります。
大きく重たいお神輿を肩に担いでいるのに対して、蔵の狭く低い位置に神輿を戻さなくてはいけないため、なかなかすんなり入らないんですが、これも神様が最後に暴れ、担ぎ手を動かしている、といわれるそうです。
2日間、重たい神輿を担ぎ、もうふらふらなのに、最後の気力を使ってお神輿を担ぎ、走り回る姿に、大槌町民のお祭りにかける思いの強さや、信仰心を感じ、感動してしまいました。
そして、大槌のお祭りには、もう一つ大きな特徴があります。
それは、町内各地に伝わる郷土芸能を舞う約20団体が、
お神輿と一緒に町内を練り歩き、2日間をかけて町中で舞いを披露すること。
祭礼に奉納することや、お神輿の先祓いや後ろを守る役割を担っているそうで、各地域ごとに代々伝わっているものには、神楽・大神楽・鹿子踊り・虎舞い・その他の風流(ふりゅう)などがあります。
その中でも、大槌の伝統芸能といえば虎舞い。とても迫力があります!
この期間の大槌には、GWや年末に帰ってこない若い人も帰ってきて町をお祭り一色に染めます。
大槌町民はお祭りに命を懸ける、とも言われるくらい盛り上がるお祭り。
世代間を越えた町民が参加するお祭りの中で、上下関係を学んでいくともいえるのかもしれません。
そんな古くから伝わり、町で代々大切に受け継がれてきたお祭り。
ぜひ、来年は大槌に見にきてくださいね!